大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京地方裁判所 昭和53年(ワ)3930号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

ところで、原告は、宮川もまた原告に傷害を負わせたにもかかわらず、これについては起訴猶予処分にし、原告のみが起訴されたことは著しく公平を欠く扱いであると主張し、この点からも本件起訴が違法であると主張するかのようである。

そこで検討するに、なるほど、<証拠>によれば、原告が本件傷害事件を起した際、原告もまた宮川から暴行を受けて負傷したことが認められ、また、宮川がこの原告に対する傷害について起訴猶予処分に付されたことは当事者間に争いがない。

しかしながら、<証拠>によれば、原告は昭和四一年以降傷害罪による罰金刑の前科が五犯あること、原告の負傷の程度の方が宮川のそれよりも著しく重いとはいえないことなどが認められ、これらの事情からみて、宮川が起訴猶予処分に付され、原告が起訴されたからといつて、それが著しく不公平な処遇であるとはいえず、他に原告のみを起訴したことが著しく公平を欠いた扱いであると認めることのできる証拠はまつたくない。

(柴田保幸 近藤敬夫 升田純)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!